無形化世界の戦略論 (2) 無形化世界
Posted by admin on 08 3月 2009 at 02:06 am | Tagged as: Strategy + Geopolitics
無形化世界とは何か
現代では形のある物理的な軍事力のようなパワーが主役の座を降り,経済力をはじめとする無形化したパワーが世界を動かす主役となった。そして現代では時を経るごとにコンピューターの中の数字が一種の仮想的な現実として力を強め,物質そのものを圧倒し始めている。[無形化世界の力学と戦略]
第二次世界大戦以後の世界情勢は,東西陣営による核ミサイル軍拡競争による恐怖の均衡によって,直接的に軍事力を使用する有形の戦争は減少した。核兵器というジョーカーによる通常兵器の無力化である。これがパワーの無形化である。そして,無力化された通常兵器に取って代わるものとして,新たにパワーとして頭角を現して来たのが
(i) 国家・企業間での通貨戦争や貿易戦争などの経済戦争,
(ii) 大学・シンクタンクなど知的機関による学問領域における正統性争い・覇権争い,
(iii) TVや新聞,報道機関などメディアを通じた報道戦争・イデオロギー戦争である。
これらの争いでは,軍事力を行使しないため,「見えざる戦争=無形化世界における戦争」である。大規模戦争が勃発しなくなった昨今では,これらの無形化世界における戦争こそが重要なのであり,その可視化と定量化,そして無形化世界での戦略を構築すべきというのが長沼氏の意見である。
無形化したパワー
無形化世界におけるパワーとして,長沼氏が挙げるものは以下の三つである。
(i) 経済力
(ii) 研究機関の知的影響力
(iii) メディアの力
これらの漠然とした無形化したパワーの特徴を捉える上で,理解の手がかりとなるのが,過去の陸海空軍とのアナロジー(類似性)である。過去の有形のパワーと無形化したパワーの間にはある程度の類似性があり,その類似性に基づいて無形化世界の特徴を浮かび上がらせようというのが,無形化世界の力学と戦略―理系からの解析は戦略と地政学をどう変えるか (下) (単行本) の一貫したテーマである。このアナロジーを用いることで,過去に蓄積されてきた(有形の)戦略論・戦術論・地政学などの知的資産を活用することができ,無形化世界における戦略を考える土台として使えることになる。
書籍購入方法
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無形化世界の力学と戦略―理系からの解析は戦略と地政学をどう変えるか (下) (単行本)



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