観察日記

いま棚田を改修して作った市民農園を借り,無農薬野菜作りの実験を行っている。試行錯誤をしながら土壌の状態がどう変わるかを観察しているが,やはり農業は自然が相手なので一朝一夕では結果は出ない。最低でも数年がかりの経験と勘の蓄積が必要になるだろう。その実験記録として観察日記を始める。
実際に土作りを行ってみて,土壌の状態についていくつか分かったことがある。

1.雑草の生い茂る部分の土は,虫やミミズが多く,意外に土がふかふかして柔らかい。田んぼ特有の粘土質な土の隙間に細かい根が広がっており,空気の層ができているからだと考えられる。
逆に完全に耕してしまった部分は,土本来の粘土質の形質が強く出過ぎてしまい,余計に水はけが悪くなってしまった。雨が降るとぬかるみになり,日照りが続くとカチカチになってしまう。土作りには「何も植物がない」という状態が一番よくないようだ。

2.肥料の一環として米ぬかを撒いてみたが,1週間ほどで米ぬかの周りに白い菌糸のようなものが広がり,徐々にだが分解されているのが分かる。特に微生物(ボカシのもとなど)を投入しなくても,土本来の微生物が分解してくれる。その方が土着菌を生かすことになるので生態系を考えると好ましいだろう。

3.粘土質な土には落ち葉の投入が効果的だった。粘土質の土の欠点は,土壌の粒子が細かすぎて粘着質になり,水はけが悪く,土が窒息してしまうことである。そのため,繊維質である落ち葉を投入すると,土の間に無理矢理間隙が生じ,水はけが改善した。

今後の予定

現在参考にしているのは,福岡正信氏の自然農法と,永田照喜治の永田農法である。どちらも完璧にやる気は無いのだが,その思想とノウハウは勉強になる。土地ごとによって向き不向きもあるだろうと思うので,いいとこ取りをしていければと考えている。どちらも本で読んだだけなので大雑把にしか知らないので,概略だけ。

福岡正信氏の自然農法

基本は無農薬・無肥料・無耕起の力いらず農法である。その代わりとして,知恵を使う。

  • 肥料を使わない代わりとして,食べる部分以外を土に返すこと。
  • ラジノクローバーなどのマメ科植物を緑肥として使用する。それによって窒素の固定化を行う。
  • 上記クローバーなどを栽培することによって,雑草の抑制と,土壌の改良の両方を同時に行ってしまう。つまり,クローバーで地面をカバーすることで有害な雑草の繁殖を防ぎ,クローバーの根が広がることによって無耕起でも土を柔らかいままに維持できる。

言われてみればもっともなことばかりだが,そうそううまくいくものでもないらしく,実際には臨機応変に農薬なども使っても良いらしい。農業は自然相手なのでマニュアル化というよりは,臨機応変さが要求されるのだろう。

永田照喜治の永田農法

永田農法は,与える水を極力最小限にし,野菜本来の生命力を最大限に利用する農法。雨水がかからないように畑には覆いをし,肥料については野菜の根が吸収するには液体の方が効率がよいとして液肥を使う。

  • 土作りはケイ酸カルシウムによってPH調整を行い,液肥を施すのみ。畝は高めに作る。
  • 苗を植え付ける際には,根を1/3ぐらいまで切り落とし,土を洗い落としておく。こうすることで,新たな根が伸びやすく,また新しい土に馴染みやすいとのこと。余分な肥料を洗い流すことで,施肥を正確にできるというメリットもある。
  • 病虫害防止のため水がかからないように,覆いをつける。
  • 水やりは野菜がしなびる頃に行い,水やりの時に液肥の施肥も行う。