Strategy + Geopolitics
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Posted by admin on 17 5 月 2009 | Tagged as: Strategy + Geopolitics
無形化された世界では,流動的アナログ力・固定的デジタル力の二つがあり,国家政策や学問における定説などの固定的デジタル力こそが戦略拠点となり,攻防の焦点となっていくことを述べた。いかにしてこれら戦略拠点を攻略すればよいのだろうか。
長沼氏の提案しているデジタル力拠点攻略戦術は,「戦場の移動」「段差防御」「分進合撃」「(デジタル拠点を背にした)各個撃破戦術」などがあり,それらについて以下に紹介する。
流動的アナログ力を用いて固定的デジタル力拠点を攻略したい場合,大きく分けて拠点を無効化する戦術と,拠点を突破する戦術に分けられるが,「戦場の移動」「段差防御」は拠点の攻撃力や価値を無効化させる戦術と言えよう。また「分進合撃」「(デジタル拠点を背にした)各個撃破戦術」は拠点を効果的に撃破する戦術と言えるだろう。
デジタル力拠点を攻略する際に,直接的に力攻めをするのではなく,無効化することで拠点を無価値にしてしまおうというのがこの戦術である。
攻撃側(流動的アナログ力)は,そういう攻略しにくいデジタル拠点を直接攻撃することを避け,むしろそれを迂回して隙間領域に進出する。そして拠点から少し離れた競争力のまだ低い場所を選んで,その未開拓領域を重要領域として開拓し,そこに自分たちの側が新しく拠点を築いてしまうのである。
このようにした上で,戦場全体を次第にそこへシフトさせてしまえば,攻守の構図が逆転し,逆に相手がこちらの拠点を奪い取るためにぶつかってこなければならないだろう。
これは,強大なデジタル力拠点の力を削ぐために,いかにして効率的に敵の戦力を阻止するかという防御的戦術であり,以前にも述べた,自らと比して相手の戦力が格段に小規模な場合には,実力行使に躊躇してしまうという心理的効果を利用している。
すなわち相手の強大な戦力に対抗して,自らも戦力を増強するというオーソドックスな抑止力を使うのではなく,相手とは異なるレベルの戦力を用意する(相手が核ミサイルならこちらは通常兵器で,相手が通常兵器ならこちらはゲリラで)。それにより,相手に戦端を切る機会を与えず,より機動的に効率よく防御線を構築できるのである。
これは,上記の段差防御戦術と,流動的アナログ力特有の流動性の高さを複合した攻略戦術である。
(1) 相手が反撃を加えようと思う規模・次元よりも小さいレベルまで戦力を分散させる。
(2) ただし,戦略目標としての拠点はきっちりと定めておく。
(3) 小規模戦力が各個分進して相手の防御網をかいくぐって突破し,合流して拠点を攻略する。
このような手法を用いることで,相手からすると攻撃目標が小さく,はっきりせず動くに動けない。一方自らの陣営は小規模ながら分進して,同時に拠点に攻勢をかけることが可能となる。
相手からすればハエが一斉に飛んでくるような状態であり,防御は容易ではない。
これは最初に述べた戦場の移動とも関わってくるが,自らが撃って出ることで攻勢を仕掛けるのではなく,相手が欲するデジタル力拠点を餌にして,相手の流動的アナログ力をおびき寄せ,個別に叩く戦術である。流動的アナログ力の短所は戦力を集中することが苦手で,パワーが分散してしまうことにある。そのため,自らがデジタル力拠点を有している場合には,相手の分散したパワーを各個撃破することで優位に戦いを進めることが可能である。
以上のような戦術を組み合わせて駆使することで,効果的に無形化戦略の攻防戦を行うことが可能となる。
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無形化世界の力学と戦略―理系からの解析は戦略と地政学をどう変えるか (下) (単行本)


Posted by admin on 17 5 月 2009 | Tagged as: Strategy + Geopolitics
無形化世界の勢力図を可視化するためには,どのような無形の戦略拠点が存在し,それらの拠点を誰が押さえているのかを考えることが必要である。
まず,拠点獲得をねらうパワーの側に焦点を当ててみよう。パワーには,マネーや情報のように極めて流動性が高く,速度の速いものから,核兵器などのように一朝一夕では手に入れることが出来ず鈍重なものまで多岐に渡る。長沼氏によれば,それらのパワーには一定の法則があり,
パワーの流動性が高くなれば機動性が向上して有力なパワーとなる。ところがその流動性が高くなりすぎると,自身の中に力学を作り出すことが出来ず,かえって鈍重なパワーに戦略を支配されてしまう。
という。
そのため,いかに経済力やメディアが無形化パワーとして肥大化しようとも,依然として鈍重な国家などの意向を無視することは出来ず,常に行動を束縛される結果となっている。
軍事力などの従来型パワーの間隙を縫うようにして,無形化パワーが浸透・席巻することで無形化世界は拡大を遂げてきた。しかし,無形化パワー自体は政治・外交などの目標達成のための一手段に過ぎず,それ自体が戦略目標・戦略拠点とはならない。無形であるがゆえに拠点というべき確固たる戦略目標を定めづらいためである。
以上に記したパワーの特徴から,長沼氏は世の中には二種類のパワーがあると述べている。それは,
- 固定的デジタル力
- 流動的アナログ力
の二つであり,固定的デジタル力は従来から存在する政治や軍事などの「1か0か」で明らかに結果をかえる能力のある力である。例えば,政治でいえば「1(国交を結ぶ)」「0(国交を断絶する)」といった,社会全体に大きな影響を与えうる決断を下せる能力が,固定的デジタル力には存在する。
そして,流動的アナログ力は経済力などの,日々上がったり下がったりを繰り返し,ある時点でガラッと社会を変化させうる能力に欠けるパワーのことをいう。いかに流動的アナログ力である経済力を拡大したとしても,固定的デジタル力の代表である国家が一つ規制法案を作られてしまえばたちどころに窮してしまうというのも,デジタル性(拠点)に欠けるがゆえの欠点である。
以上のことから,無形化世界においても結局のところ戦略拠点となりうるのは,「1か0か」のデジタル性を有する目標であり,デジタル拠点ということになる。無形化陸軍に相当する経済力においての戦略拠点は基軸通貨であり,無形化海軍に相当する知的機関ならば戦略拠点は学会や会議における定説定論である。
これら戦略拠点はひとたび獲得することが出来れば,他者に対して圧倒的な示威力・発言力・強制力を持つ。一企業レベルでいえば,日々の流動的な戦術目標は売り上げアップというエンドレスな戦いであるが,その後得られる果実としての「業界標準や世界標準規格」は他社を市場から追放できるほどの威力を持っている。これは国家レベルでも同じことであり,G20や国連などの国際会議で一度既成事実として方針が決まってしまえば,それを一加盟国レベルで覆すことはきわめて難しい。このような無形戦略拠点が何であるかを見抜き攻略する,あるいは攻略できないならば無効化するというのが今後の戦いの焦点となっていくだろう。
無形化世界において,これらの戦略拠点をいかに攻略していくかについて今後紹介したい。
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Posted by admin on 04 4 月 2009 | Tagged as: Strategy + Geopolitics
無形化世界においては大学・シンクタンク等の研究機関は海軍(シーパワー)に相当する。
シーパワーの重要性,そして制海権の重要性が認識されるに至った経緯は,以下のようなものである。
それは文明そのものが農業文明の停滞状態を脱し,産業社会に突入して経済規模の拡大に次ぐ拡大を続けることに伴って起こった。つまり通称の規模も経済の拡大に比例する形で増大せざるを得ず,陸上輸送より格段に効率の良い海上輸送に依存していかなければ,その膨れ上がる通商活動を支えていけなくなったからである。
資源すべてを海外に求めず自国内で調達できるという幸運には滅多に期待できないため,どうしても海上に生命線が発生し,その生命線を維持するための商船隊とそれを護衛できる海軍力は,国家にとって不可欠な存在となったのである。
無形化世界の力学と戦略
鉄道が世界中に張り巡らされるようになった近代までは,最もそして圧倒的に効率の良い輸送手段は船であり続けた。資源を持たない小国は,交易によって資源を獲得せざるを得なかった。また相対的に人口が少ないため,ランドパワーから自国を防衛するためには制海権を奪取し,バランサーとして複数のランドパワーとの合従連衡を繰り返す外交戦略が必要だった。そういう経緯を経て,シーパワーの「マンパワーは小さいが,間接的に海上支配を通じて生活圏に影響を与える」という特徴が生まれていった。
長沼氏によれば,無形化世界における死活的に重要な資源は「知的資源」であり,産業基盤を支える技術ノウハウやそれを運用する技術者こそが現代国家の生命線であるという。
そして,無形化世界における制海を以下のように定義している。
思索のレベルが上がっていくと,そこには次第に一種の哲学というものが要求されるようになっていく。このレベルになっていくと,そうした哲学なり思想なりを作れるものの影響力というものは極めて強力であり,技術体系や社会制度そのものがそれに支配されて動いていくこともまれではない。
そういう思想をリードし,維持する存在があったとすれば,その影響力を巡って一つの戦略力学が発生するのであり,まさしくその存在こそが,無形化世界において「制海」に任ずる存在だと言うことになる。無形化世界の力学と戦略
この知的制海権を所有している国と,持たざる国との大きな違いは何か。一言で言えば,正統性を主張できるか否かということになろう。知的制海権を所有する国(例えば20世紀のアメリカ)は,自らの正統性を疑うこともなく,思想や技術・政治システムを発展させ続けることが可能である。また,もし自らの覇権に挑戦してくる敵が現れた場合,率先してルールを変えてしまうか,中世ヨーロッパのローマ教皇のごとく異端の烙印を押してしまうことが可能である。
長沼氏は,この知的制海権による知的資源の供給ラインを「知的シーレーン」と呼び,戦略物資の補給線として極めて重要な役割を果たしていると指摘している。例えば,ある国が他国と無形化された戦争状態(経済戦争や情報戦争など)にある場合に,前線支援のため大量の知的資源ー学問・思想・哲学・技術などーを継続的に補給し続けなければならない。それは,経済力(ランドパワー)もメディア(エアパワー)のどちらも,新規技術や情報による後押しがなければ,徐々に消耗し前線にて孤立せざるを得なくなるからである。そうした場合に,知的シーレーンを確保していた場合にはスムーズに知的戦略物資を補給出来るのに対し,知的シーレーンを喪失していた場合は孤立した前線ではかなりの苦戦が予想される。
このことは,無形化された戦争における自陣営の防衛戦略に対しても言えることであり,メディアによる情報制空権を突破するためには,その敵陣営の補給路である知的シーレーンを奪うことが戦略上の要となる。すなわち,画期的発明や画期的思想(とその発明者・思想家)といった知的資源を結実できるレベルまで育てあげ,国際舞台でのプレゼンスを高め,自陣営の思想や手法の正統性を主張することこそが求められる。

異端審問
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Posted by admin on 04 4 月 2009 | Tagged as: Strategy + Geopolitics

media_airpower
無形化世界においてはメディアは空軍(エアパワー)に相当する。エアパワーの特徴は
エアパワーは空中において運用される能力であるため、陸海における権力とは本質的に特性が異なっており、地形の制約を殆ど受けないために世界中どこへでも迅速に展開することが可能である。つまりエアパワーはランドパワーやシーパワーと比較して速度、範囲、機動性、突破・打撃能力が圧倒的であり、現代の軍事力の主要な構成要素であると考えられている。エアパワー@wikipedia
であり,少数精鋭の部隊が迅速に行動し,効果的に打撃を与えることが出来る。一方その特性ゆえに,長期間に渡って拠点を維持するのには不向きな兵種と言える。
テレビやラジオ,新聞,インターネットなどのメディアは,当初の目的である「情報伝達」の役目を超え,現在ではコマーシャルに代表される「前線支援のための宣伝機関」としての役割が増大している。ここでいう前線とは,企業でいえばマーケティングなどの消費者争奪戦であり,国家でいえば外交問題・軍事問題などの主導権争い(プロパガンダ)である。
この宣伝合戦において,自らの宣伝効果を高め,相手の宣伝効果を下げようとしてために考え出されたのが,視聴者に届く情報路を支配してしまえばよい=「情報制空権」を奪取するというアイデアである。企業の例でいうと,情報制空権を有していればライバル企業の情報を遮断し,効率よく自社の製品のPRを行うことが可能となる。
この情報制空権争いは,第二次世界大戦期のナチスドイツや東西冷戦においても行われ,スポーツや映画,音楽などありとあらゆる媒体が使われた。目的は自陣営の結束強化(ナショナリズムや方向性提示),敵陣営の残虐無比さを喧伝するためである。冷戦期においては,西側の娯楽電波が無形化されたパワーとして東側諸国の家庭にまで浸透し,東側の自壊を誘発させる結果となった。
長沼氏によれば,メディアの制空権争いには以下の二種類の高度があるという。
このうち,高高度のメディアとは,国際政治や外交などの目的を達成すべく動員されるインテリジェンスの範疇とも言えるメディアであり,政府・国家をターゲットとしたものである。高高度メディアは政治組織の支援などの目的がはっきりしているため,視聴者の行動意欲をかき立てることが出来るように,情報は正確に絞り込まれている。
一方低高度のメディアとは,娯楽やスポーツなどを通じて大衆の「視聴率」を奪い合うためのものであり,どれだけの人を釘付けに出来るかが焦点となる。そのため,この低高度メディアは大衆の好みそうな情報を断片的にばらまくだけであり,その視聴者に行動意欲を湧かせることは出来ず,むしろ情報過多によって世の中を冷笑的・不活性なものへと変えていく。
メディアの世界に(6)の運動量一定則を適用するとどのような事象が推測されるのだろうか。
メディアは経済力のおよそ10倍の速度があり,ひとたびキャンペーンを打てばその圧倒的なエアパワー(情報の絨毯爆撃)によって情報の拡散と陳腐化が生じる。そのため,本来事業を成就させるために必要な時間の1/10の時間で,支援を受けた事業は陳腐化されてしまい,事業としての魅力を喪失してしまう。
例えば,昨今のマスメディアによって取り上げられ,ブームとなった商品(ナタデココや納豆などもそう)が瞬く間にブームが去り,その商品を生産・販売する企業が窮地に陥るという現象もこの破壊的な陳腐化によるものだろう。これが全社会的に起これば,社会の起爆剤となるべき新発見・新発明・新概念でさえ,ブームになってはあっという間に過去の遺物と見なされてしまう。そのため,それら新発明や新概念が地に足のついた普及と定着をする前に,飽きられ,社会の活力を削ぐ一因となっている。

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Posted by admin on 25 3 月 2009 | Tagged as: Strategy + Geopolitics
(5)にて他者を自分の意のままにコントロールする力のことをパワーと呼ぶと書いた。従来は他国をコントロールしようとした場合,物理的軍事力に頼ることが多かったが,現在は徐々に無形化世界における戦争(経済戦争・知的闘争・情報制空権争奪戦)へと移行しつつある。旧来の軍事力と,無形化世界でのパワーを定量的に比較する指標として,長沼氏が掲げるのが「運動量一定の法則」である。
軍事部門というものは国家の経済部門の1/10の大きさや体重しか持たないが,それは経済部門の10倍の早さで動く能力をもつ。そのため国境線や勢力範囲を圧迫する能力において経済力に劣らない力を持ちえるわけだが,これはどこか前のテコの話を連想させる。つまり二つをかけた値は結局常に等しくなってしまうのではないかと予想したくなるのである。
経済力をもって相手国を屈服させようとする場合,それは軍事部門よりも一桁多い人数からなる経済社会全体の力を用いることが出来るわけだが,経済的世界は軍事的世界よりも一桁遅い速度でしか動けない。このため10倍の長さの時間がかかってしまうという欠点はあるものの,相手を圧迫するのは両者の積の力であるため,国境線を移動させたり国そのものを屈服させるという点では等しい効力を持ちえるということになる。
体重×速度で示される「運動量」が変化しないという「運動量保存則」あるいは「運動量一定の法則」が経済部門と軍事部門の間で成り立っているとの仮説が成り立つわけである。
[無形化世界の力学と戦略]
※ここでいう,「体重」とは動員できる構成員の数であり,「速度」とは相手国を消耗させる速度のことである。
この法則から,もし通常の戦争と,経済戦争が相手国に与える消耗の速度比が1:10ならば,
軍事のパワーと経済のパワーの換算を行う場合,一般に後者は前者の10倍のサイズを持っていて1/10の速度で動く
[無形化世界の力学と戦略]
と長沼氏は述べている。この法則によって,無形化世界における戦争を可視化しようと試みた場合に,戦況が変化する速度を定量的に推測できる。この議論については永井俊哉氏のサイトで批評がなされているが,無形化世界のパワーゲームの状況把握に使うならば,指標として使えると思う。
現在,世界経済は大恐慌に突入しつつある。海外の記事(Foreign Affairsなど)を目にしていても,
2008: The Great Crash
2009: The Great Recession
2010: The Great Depression 2.0
というような見出しが躍っている。この経済動乱もまた一種の無形化された世界大戦の一端を示している。経済戦争,情報戦争(に加え,小規模紛争・テロなど)による混乱は,無形化世界の勢力図をどのように書き換えているのか。通貨戦争,貿易戦争,情報戦争などの無形化世界での戦闘は,冷戦と同様に数十年継続する戦いになるのか,目が離せない。
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Posted by admin on 22 3 月 2009 | Tagged as: Strategy + Geopolitics
今まで述べてきた,ランドパワー・シーパワー・エアパワーなどの地政学用語について補足しておきたい。そもそも,地政学・政治学・軍事学上で用いられるパワーとは,何なのだろうか。Wikipediaを引いてみると,
Political power (imperium in Latin) is a type of power held by a group in a society which allows administration of some or all of public resources, including labour, and wealth. There are many ways to obtain possession of such power. At the nation-state level political legitimacy for political power is held by the representatives of national sovereignty. Political powers are not limited to heads of states, however the extent to which a person (such as Joseph Kony, Subcomandante Marcos, or Russell Means) or group such as an insurgency, terrorist group, or multinational corporation possesses such power is related to the amount of societal influence they can wield, formally or informally. In many cases this influence is not contained within a single state and it refers to international power.
Political scientists have frequently defined power as “the ability to influence the behaviour of others” with or without resistance.
For analytical reasons, I.C. MacMillan[1] separates the concepts powerPower is the capacity to restructure actual situations.
—I.C. Macmillan
and influenceInfluence is the capacity to control and modify the perceptions of others.
—I.C. Macmillan
Political Power @wikipedia
Power projection (or force projection) is a term used primarily in American military and political science to refer to the capacity of a state to conduct expeditionary warfare, i.e. to implement policy by means of force, or the threat thereof, in an area distant from its own territory. The United States Department of Defense, in its publication J1-02: Department of Defense Dictionary of Military and Associated Terms, further defines power projection as
The ability of a nation to apply all or some of its elements of national power - political, economic, informational, or military - to rapidly and effectively deploy and sustain forces in and from multiple dispersed locations to respond to crises, to contribute to deterrence, and to enhance regional stability. [1]
This ability is a crucial element of a state’s power in international relations. Any state able to direct its military forces outside the limited bounds of its territory might be said to have some level of power projection capability, but the term itself is used most frequently in reference to militaries with a worldwide reach (or at least significantly broader than a state’s immediate area). Even states with sizable hard power assets (such as a large standing army) may only be able to exert limited regional influence so long as they lack the means of effectively projecting their power on a global scale. Generally, only a select few states are able to overcome the logistical difficulties inherent in the deployment and direction of a modern, mechanized military force.
While traditional measures of power projection typically focus on hard power assets (tanks, soldiers, aircraft, naval vessels, etc.), the developing theory of soft power notes that power projection does not necessarily have to involve the active use of military forces in combat. Assets for power projection can often serve dual uses, as the deployment of various countries’ militaries during the humanitarian response to the 2004 Indian Ocean earthquake illustrates. The ability of a state to project its forces into an area may serve as an effective diplomatic lever, influencing the decision-making process and acting as a potential deterrent on other states’ behavior.
Power Projection @wikipedia
政治学においてのパワーの定義は,「他者の行動に影響を与える能力」である。言い換えれば,他者を自分の意のままにコントロールすることが可能ならば,それはパワーという言葉の範疇にくくることが出来る。従来は,パワーといえば軍事力などのハードパワーを指すことが多かったが,現在の世の中では,国際政治の舞台でいかに効果的に政治・経済・軍事・情報などのパワーを行使するかという点が重要視されている。ジョセフ・ナイの唱えるソフト・パワー,スマート・パワー論は,軍事力・情報力・恫喝・娯楽・などを複合したパワーのオペレーション方法と言えるかも知れない。
ソフト・パワー(Soft Power)とは、国家が軍事力や経済力などの対外的な強制力によらず、その国の有する文化や政治的価値観、政策の魅力などに対する支持や理解、共感を得ることにより、国際社会からの信頼や、発言力を獲得し得る力のことである。対義語はハード・パワー。
ソフト・パワー @wikipedia
小国にもかかわらず圧倒的な発言力を握っているイスラエルなどは(ロビー活動や,金融支配,ホロコーストなどの宣伝戦などを通じ)総合的なパワーを有していると言える。
Posted by admin on 18 3 月 2009 | Tagged as: Strategy + Geopolitics

無形化されたパワーによる拮抗状態の突破( 無形化世界の力学と戦略―理系からの解析は戦略と地政学をどう変えるか (下) )
(3)で紹介した無形化パワー
(i) 経済力 (=ランドパワー)
(ii) 研究機関の知的影響力 (=シーパワー)
(iii) メディアの力 (=エアパワー)
がなぜこれほどまでに力をつけてきたのだろうか。
一つには,冷戦下における西側と東側の軍事的拮抗状態を突破するための西側の戦略が成功したことが挙げられる。冷戦下においては,西側・東側両陣営が核戦力の軍拡競争を行い,一触即発の危機が続いたものの,結果として互いの目論見である軍事力を背景として相手に譲歩を迫る恫喝戦術はことごとく失敗に終わった。それは,両陣営が強力な抑止力を互いに有していたためである。
戦略核,戦術核といった破壊力が強大な兵器は,通常戦力に対しては強い抑止力を持つ。例えば,戦車部隊で国境を突破した敵に対し,戦術核で報復するといった用途である。
しかし,経済力やメディアなどの無形化されたパワーに対しては,核戦力は抑止力を持たない。経済戦争や,メディアによる報道合戦があったとしても,ただちにそれに対する報復として核戦争を誘発するという自体までエスカレートさせるのには非常に勇気が必要となるからである。その結果,無形化されたパワーは軍事的拮抗状態においても自由に行動することができ,その攻撃を受ける側は保護貿易やジャミング(電波妨害)など消極的な対応をせざるをえない。
その結果,冷戦においては西側の経済力・メディアが東側を圧倒し,最終的には東側体制崩壊という勝利を収め,無形化されたパワーというものの存在が大きくクローズアップされることとなった。
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Posted by admin on 14 3 月 2009 | Tagged as: Strategy + Geopolitics
無形化世界においても,過去の陸海空軍三軍と類似の特徴を持つパワーが存在する。それが,
(i) 経済力
(ii) 研究機関の知的影響力
(iii) メディアの力
の3つである。それぞれのパワーを特徴づける要素を見ていこう。
経済力は,国力の基礎であり,貿易・生産・消費など日常生活に密接に関わっている。
長沼氏によればは,経済力の特性は,以下のようなものである。
この特徴は,人員が多く,速度は遅いものの,ひとたび動きだし陣地を獲得すれば,長期間に渡って生活圏を直接的に支配し続けることが可能な「陸軍,ランドパワー」に相当する。

陸軍
シンクタンクや大学などの研究機関の主な仕事は,産業の基盤技術の開発,経済政策の裏付けや,政策の詳細な検証・立案,ルール策定などを通じて社会の方向性を決め,発展の可能性を広げることである。
この特徴は,速度が遅く,あくまで生活圏には間接的にしか影響を及ぼすことはできないものの,海上封鎖などで間接的に長期間に渡って,生活圏・交易圏を支配できるという点で,「海軍,シーパワー」に相当する。
例えば,アカデミズムの分野や,国際会議などにおいて強い発言力を獲得できれば,その後長期間に渡って絶大な影響力を行使し続けることが可能(例えば,国際法や国際規格,スポーツルールなどにおけるスタンダード策定権など)である。

海軍
同様に,
この特徴は,少数精鋭で素早く敵地を爆撃し,多大な影響を与えることができるが,敵地に常駐することのできない「空軍,エアパワー」に相当する。

空軍
参考図:各国経済力比較

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Posted by admin on 08 3 月 2009 | Tagged as: Strategy + Geopolitics
現代では形のある物理的な軍事力のようなパワーが主役の座を降り,経済力をはじめとする無形化したパワーが世界を動かす主役となった。そして現代では時を経るごとにコンピューターの中の数字が一種の仮想的な現実として力を強め,物質そのものを圧倒し始めている。[無形化世界の力学と戦略]
第二次世界大戦以後の世界情勢は,東西陣営による核ミサイル軍拡競争による恐怖の均衡によって,直接的に軍事力を使用する有形の戦争は減少した。核兵器というジョーカーによる通常兵器の無力化である。これがパワーの無形化である。そして,無力化された通常兵器に取って代わるものとして,新たにパワーとして頭角を現して来たのが
(i) 国家・企業間での通貨戦争や貿易戦争などの経済戦争,
(ii) 大学・シンクタンクなど知的機関による学問領域における正統性争い・覇権争い,
(iii) TVや新聞,報道機関などメディアを通じた報道戦争・イデオロギー戦争である。
これらの争いでは,軍事力を行使しないため,「見えざる戦争=無形化世界における戦争」である。大規模戦争が勃発しなくなった昨今では,これらの無形化世界における戦争こそが重要なのであり,その可視化と定量化,そして無形化世界での戦略を構築すべきというのが長沼氏の意見である。
無形化世界におけるパワーとして,長沼氏が挙げるものは以下の三つである。
(i) 経済力
(ii) 研究機関の知的影響力
(iii) メディアの力
これらの漠然とした無形化したパワーの特徴を捉える上で,理解の手がかりとなるのが,過去の陸海空軍とのアナロジー(類似性)である。過去の有形のパワーと無形化したパワーの間にはある程度の類似性があり,その類似性に基づいて無形化世界の特徴を浮かび上がらせようというのが,無形化世界の力学と戦略―理系からの解析は戦略と地政学をどう変えるか (下) (単行本) の一貫したテーマである。このアナロジーを用いることで,過去に蓄積されてきた(有形の)戦略論・戦術論・地政学などの知的資産を活用することができ,無形化世界における戦略を考える土台として使えることになる。
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Posted by admin on 08 3 月 2009 | Tagged as: Strategy + Geopolitics
長沼伸一郎氏の「無形化世界の力学と戦略」にて展開されている,現在の無形化世界における戦略論を紹介していきたい。
長沼伸一郎氏は,「物理数学の直観的方法」という数学参考書を若干26歳のときに世に出したベストセラー数学作家である。その後,経済や軍事,建築などの分野を,理系の視点から解析した書籍を出版している。
参考:「ステルス・デザインの方法―イルカの記憶と都市の閉塞感を減らす技」
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